一人旅の記録

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東京一人旅11~新宿区 第99回夏の西東京大会決勝「早実×東海大菅生」観戦記 その3

4回を終わって試合は1-1の同点。

4回裏に早実が無死1,2塁のチャンスを作ったものの、無得点に終わり勝ち越すことが出来ず、試合は5回表、東海大菅生の攻撃に移る。

 

~以下、野球未経験者によるイニングを追った感想~

 

5回表

東海大菅生の攻撃は、9番・松本から上位打線へと繋がる攻撃だったが、早実の先発・雪山は簡単に打者二人を打ち取る。しかし、2番・松井が二塁への内野安打で出塁すると、3番・小玉は初球を打ち、打球は三塁の深い所へ。先ほどの4回裏2死の場面でも、早実の7番・福本が同じような難しい打球を三塁に放っていたが、この時は東海大菅生三塁手・奥村が上手く捌いてアウトにした。しかし今回は、早実三塁手・生沼の送球が少し低かったか、一塁手の清宮がこれを捕ることが出来ず、大きく後ろに逸らしてしまった。ボールは点々と一塁側フェンスの所まで転がり、清宮が急いで捕りに向かうも、追いついてボールに手をかけたところで、一瞬だが掴み損ねた。すぐにしっかりと握り直し、ホームへ送球したが、判定はセーフ。さらに打者走者も三塁へと向かい、捕手の野村はすぐさま三塁へ送球したが、こちらもセーフ。オールセーフで東海大菅生が二死走者無しから勝ち越しに成功した。

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(あんまり伝わらないと思うが、勝ち越しに成功して大いに沸く菅生応援団)

個人的には4回裏、菅生の三塁手・奥村のプレーと、この回の早実三塁手・生沼のプレーの明暗が分かれたことが、そのままこの後の試合展開にも直結してしまったような気がした。早実の場合は、生沼がまだ1年生だったということで、経験の差が出てしまったのかもしれない。あとは一塁手の清宮も、今回は生沼の方にエラーがついたが、全く捕れない送球でもなかったと思うし、何より逸らした球を捕り直しに行ったとき、一瞬掴み損ねたのが勿体なかった。あれさえなければ、ホームは思っていたよりも際どいタイミングだったから、アウトにして勝ち越しを防ぐことが出来ていたんじゃないかと思う。

さて、思わぬ形で菅生が1点をもぎ取ったが、続く打者は初回にタイムリーを放っている4番の片山。早実としてはまだ気の抜けない展開が続く。こういう時は初球の入りが肝要、と注目して見ていたが、初球はハーフスイングでストライク。しかし4球目、変化球を上手く捉えた打球は左右間を割った。適時二塁打となり、さらに東海大菅生が1点を加えると、続く5番・奥村も初球を中前まで運び、片山も生還。点差が3点まで広がったところで、早実は何とか東海大菅生の攻撃を断ったが、エラーから立て続けに失点を許したことで、試合の流れは大きく東海大菅生の方に傾いた。

 

5回裏

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(勝ち越しを許した直後の5回裏攻撃前、清宮主将を中心に円陣を組む早実ナイン)

また、この回の直前、東海大菅生の1番で遊撃の田中が、熱中症により足が攣ったか? 治療のため少し開始が遅れる。

 

3点を追いかける直後の早実の攻撃は、エラーにより失点を招いた8番・生沼から。早実としては、こういう相手に流れが傾きかけた場面からでも、ビッグイニングを作り一気に流れを取り戻すのが得意中の得意なチームなので、果たしてこの回どうなるか、注目してその攻撃を見守る。

早実の攻撃は、先頭の生沼は倒れたものの、9番の野田は遊撃の悪送球により出塁、ボールがファールゾーンに転がっている間に二塁まで到達する。まるで先ほどの菅生のリプレーを見ているかのようなこの展開は、否が応にも早実の反撃の狼煙が上がるのを予想せざるを得なかった。しかも、打順は1番に戻り上位打線へと繋がっていく。1番・橘内は右飛も走者タッチアップし三塁へ。続くは2番・雪山。そしてその後は3番・清宮、4番・野村へと打席が回る。早実としては何としてでも雪山に繋いでほしい所だったが、ここは菅生のピッチャー・松本が踏ん張った。二ゴロを小玉が落ち着いて処理し、3アウト。早実は絶好の機会をまたもや逃し、らしくない攻撃の流れが続く。

 

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5回が終了し、前半は4-1で東海大菅生がリード。

また、確かこの辺りから、同時間帯に行われていた大阪大会決勝にて、大阪桐蔭が公立の大冠にリードを許しているという情報が入って来て、気が気じゃなくり集中力が少し切れてきた(てっきり大阪桐蔭が15-0ぐらいでクラッシュしているかと思っていたので)。

 

6回表

さて、早実の反撃を断った東海大菅生は、7番・牛山から下位打線へと続く攻撃。しかし7・8・9と凡退し、ここはさらに流れを傾かせることは出来ず。

 

6回裏

この回は3番・清宮の3回目の打席から。早実としては再び流れを引き戻すチャンスの回だったが、清宮は捕邪飛に倒れる。しかし続く4番・野村は右翼への大飛球。右翼手・松井がスライディングキャッチを試みるもこれを捕れず、野村は一気に三塁へ到達。野村はこの日3打数3安打で、好調ぶりをアピール。

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(走者を三塁に背負い、再び守備のタイムを取る東海大菅生)

さらに5番・西田への2球目のところで、低めへの変化球が暴投となり、三塁走者が生還。早実が1点を返したが、走者は無しに戻ったので、流れを取り戻したいのならさらに連打を重ねたいところ。しかし西田、6番・小西はいずれも凡退し、結局この回の早実は1点止まり。まだまだ流れは東海大菅生優位という感じで、試合は後半へと移っていく。

 

7回表

東海大菅生の攻撃は1番の田中から。5回表が終わったところで熱中症による治療を受け、その直後にはエラーも犯していることから、大丈夫かと少し心配したが、この打席は中前へ安打。2番・松井の打席はバントの素振りやエンドランと揺さぶりをかけたが、左飛。続く3番・小玉の打席も、エンドランをかけ二ゴロも走者は二塁に進む。この試合好調の4番・片山の前に東海大菅生は積極的にアクションを起こしてくる。

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(この試合既に2本の適時打を放っている東海大菅生の4番・片山と、それに対する早実の先発・雪山)

片山への3球目には二塁走者・田中が盗塁に成功。片山は四球で歩き、続く5番・奥村の打席では初球、捕手がはじいたところで片山が二塁に進み、完全に菅生のペースになってきた感じだ。ここで奥村は右翼へ打ち上げる。この打球は抜けるかと思ったが、早実右翼手・小西は背面の状態からナイスキャッチ。さすが早実も簡単には試合を決めさせず、この回も東海大菅生は無得点に終わった。

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(ファインプレーの小西を出迎える早実ベンチ)

 

7回裏

大ピンチを切り抜けた早実は、7番・福本から下位打線へと続く攻撃。先頭の福本は中前安打で出塁し、8番・生沼はきっちり送りバントを決め走者を二塁に置く。

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(上:無死1塁から送りバントをしっかり決めた8番の生沼)

(下:1死2塁のチャンスに打席が回ってきた9番の野田と、それに対する東海大菅生の松本)

さらに9番・野田も右翼への犠飛でさらに走者を進め、二死ながら三塁と再び早実はチャンスを作る。しかし、1番に打順が戻ったところで、橘内は右飛に倒れ得点はならず。昨秋、今選抜では7番打者として打ちまくっていた印象のある橘内だが、1番に上がったこの試合ではここまで元気な姿を見せられていない。

 

8回表

東海大菅生は6番・佐藤からの攻撃だったが、三者凡退に倒れ追加点はならず。

 

8回裏

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8回裏。早実が逆転する最後にして絶好の機会がこの回だった。打順は2番・雪山からで、清宮・野村のクリーンナップへ打席を回せる最後のチャンス。そのためにも、早実としては先頭の雪山は絶対に塁に出てもらいたいところだった。そしてこのイニングの頃には、応援の方も盛り上がりが最高潮に達しており、投球がボールになれば一塁側の早実応援団から地鳴りのような声援が響いてきた。別にまだ逆転したわけでもなんでもないぞ、と突っ込みたくなる位の熱狂ぶりだったが、逆にストライクを取れば、今度は負けじと三塁側から東海大菅生の大声援が聞こえてくる。この試合に出ている両ナインもそうだが、応援の方だって絶対に負けたくないんだということがひしひしと伝わってくるこの回の両校の応援だった。

さて、展開の方は、雪山はフルカウントまで持ち込むも一ゴロで出塁することは出来ず。1死走者無しの状態で3番・清宮の第4打席が回る。

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もしかしたらこの打席が「早実・清宮」としての最後の打席かもしれないということで、いつもよりも集中してこの打席を見つめた。そしてその初球、積極的に振りに出た打球は一直線でライトスタンドへ。ここで高校通算本塁打108本の新記録が出たか⁉と早稲田関係者でも何でもない僕も思わず絶叫。…が、打球はわずかに右に切れてファール。それでも、まるでゴルフの打球かっていうぐらいあっという間に飛んでいった清宮の打球を見て、やはり高校生としては一歩も二歩も抜きんでているということを改めて感じた。清宮は2球目も逃さず捉え、右前への鋭い打球でこの試合初安打を放つ。

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走者が出たところで打席に入ったのは、ここまで3打数3安打の4番・野村。

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早実としては最も期待できる打者が打席に回ったことで、一塁側の早実応援団のボルテージも最高点に達した。が、野村はらしくもなく2球目を引っ掛け、打球は遊撃へ。6-4-3のダブルプレーで、早実としてはまさかの展開。あっけなく8回裏の攻撃が終わってしまった。

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逆に東海大菅生側としては、最も怖い打者を最後の最後で打ち取ることができ、ベンチ、応援団とも大盛り上がり。早実得意の後半、自分のペースに持ち込む野球をまたしても許さず、試合はいよいよ最終回に突入した。

 

続く