一人旅の記録

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東京一人旅12~新宿区 第99回夏の西東京大会決勝「早実×東海大菅生」観戦記 その4

試合はいよいよ最終回へ突入した。

ここまでのスコアは4-2で東海大菅生のリード。

しかし、僕の周りの東海大菅生応援おじさんおばさん達は、この2点差のリードに全く安心していないらしい。

思い返せば2年前の夏、同じ早実を相手とした西東京大会の決勝で、菅生は7回まで5点のリードを保っていたにも関わらず、8回にまさかまさかの8失点を喰らい、大逆転負けを喫して甲子園行きを逃したという悪夢のような過去がある。

そして昨年も、八王子相手の決勝で、延長までもつれ込んだ末5-3と、またもやあと一歩で甲子園行きを逃している。

このような過去の事例から、菅生関係者にとって、夏の西東京大会決勝は(自分たちにとって悪い意味で)最後まで何が起こるか分からない試合ということが言える。

だから、例え2点リードしていようと、ゲームセットの声が聞こえるまでは安心できないらしい。

にしても、彼らのチームに対する猜疑心というかネガティブさというのは、90年代の暗黒時代を知る阪神ファンのそれと匹敵するレベルだと思った。

というわけで、9回表・東海大菅生の攻撃は是が非でもダメ押し点が欲しい所。そのような菅生関係者一同の期待を背負って、本日先発の松本がまずバッターボックスに入った。

 

9回表

さて、その松本の打席は左飛に倒れ、1アウト。打順は1番に戻って、打席には先ほど安打を放っている田中。ここで田中が内野安打で再び出塁すると、2番・松井は一塁へ高いバウンドのゴロを放つ。一塁手の清宮がこれを捕球し、投手・雪山がカバーする一塁へ投げようとするも、これが逸れてボールはまたもやファールゾーンへ。この時菅生はエンドランをかけていたため、一塁走者の田中は一気にホームへ。見事生還し、相手の守備の乱れから菅生は念願の5点目をもぎ取った(打者走者の松井は三塁を狙うもここはタッチアウト)。二死無走者となり、早実としては仕切り直し、もうこれ以上点は与えたくない所だったが、続く3番・小玉も初球を積極的に打ちに行き、打球は三遊間の深い所へ。遊撃の野田がこれを捕球したが、一塁へは完全に間に合わないタイミングを強引に送球。しかし送球は大きく高めに逸れた。清宮がジャンプして何とか掴んだものの、危うくまたボールがファールゾーンに点々とするところだった。

正直僕はこの時の早実のプレーで、この試合の早実の負けを確信した。あの時、遊撃手は明らかに間に合うタイミングではなかったので、送球する必要性は全くなかった。なのに、勢いに任せて思わず投げてしまったところに、早実の選手たちの「焦り」というものをひしひしと感じた。しかも、その送球は大きく高めに浮いたということで、選手たちの気持ちが前へ前へ出過ぎているということも併せて感じた。正直、いくら土壇場に強い早実であろうと、こんな心理状況で9回裏に3点差を追いつけるとはとても思えなかった。また、何だかんだ大逆転を演出するチームというのは、大逆転を演じるに相応しい精神状態を持って攻撃に臨んでいるのだと、この時初めて思った。

話を戻して、菅生は二死から走者が出たところで、打席に入ったのはここまで適時打2本の4番・片山。早実としては最も相手にしたくない打者を最後にまた迎えてしまった。

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(菅生の4番・片山を前に、守備のタイムを取る早実内野陣)

投手の雪山としてはここが最後の踏ん張りどころだったが、勝負に勝ったのは片山だった。打球は右線を抜ける二塁打。その前に盗塁成功して二塁に進んでいた小玉がホームに帰り、決定的な6点目が入った。このダメ押し点に、9回前まではあれだけ心配していた菅生応援おじさんおばさん達も、「さすがにこれなら大丈夫だろう」と安心しきった様子。続く5番・奥村は投直に倒れ、試合はいよいよ9回裏へと移る。

 

9回裏

早実最後の攻撃。対するマウンドには先発の松本が最後まで上がり続けた。しかし、僕の後ろに座っている野球経験者っぽい人の話では、前のイニングから松本は球速が落ちてきており、疲れが見えるそう。だが、それでも早実が最後松本を捉えられるとは思えなかった。打順も5番からと、下位打線へと繋がっていく流れだったし。先頭の西田は2球目を右飛。続く6番は小西の所に代打・福嶋。しかしこの選手、松本のスライダーにバットが全く合っておらず、案の定空振り三振。2アウトになり、早実は土壇場の所まで追い込まれた。打席に入った7番・福本も中飛に終わり、早実最後の攻撃はあっけなく三人で終わった。これにて、東海大菅生が17年ぶりの夏の甲子園出場を決め、その瞬間、僕の周りの菅生応援おじさん・おばさん達は狂喜乱舞。あまりの騒ぎっぷりに、別に東海大関係者でも何でもない僕も、思わず嬉しくなってしまった。

(ちなみに、優勝を決めた菅生の選手たちがマウンドに集まっているところ、整列して校歌を歌っているところは、突如スマホが写真保存されなくなったために、一番肝心なところを写真に残すことが出来ませんでした…。ただ、バックネット裏から眺める、優勝を決めた選手たちが整列して校歌を歌う光景は、最高に感動的だった…)

 

 

試合が終わり、改めてこのゲームを振り返ってみると、試合を決めたのは前にも書いた通り、両校の三塁手の守備の差だったように思う。

早実としては、5回表1-1二死一塁のあの場面で、三ゴロをしっかりアウトにできていれば…。

そうすれば、その後の連打による失点もなかったし、試合がその後どう転ぶかは分からなかったように思う。

あとは、後半になっても中々連打が生まれない、早実らしからぬ淡白な攻撃も、試合を菅生優位な展開にしてしまった。

ただそれについては、早実打撃陣の不調だけでなく、清宮の前には徹底して走者を置かせず、そしてあの早実大応援団に飲み込まれなかった、松本を始めとした東海大菅生守備陣のディフェンス力を褒めるべきだと思う。

 

最後に、この試合をもって(U-18代表を考えなければ)高校野球を引退する清宮選手について、今後彼がどのような選手に育っていくか、個人的な予想を書き記しておきたいと思う。

その前にまず彼の進路についてだが、個人的には大方の意見と同じく、大学進学ではなく高卒即プロ入りを目指すべきだと思う。

そして今後の予想については、世間一般の期待としては、清宮には松井秀喜や最近では筒香のように、年間40~50本塁打を放つ左の強打者として育つことが期待されているように思うが、個人的には案外アベレージヒッターとして、年間本塁打は20本前後だが、打率は3割をキープする、そんな打者に育っていくんじゃないかと思っている。

モデルとしては左の内川か、同じ左打者なら福浦のような選手になるんじゃないかと。

その理由については、野球未経験者の僕が言うのもあれだし、一応書き出そうともしたけど全く話がまとまらなかったので、やっぱり書きません。

ただ一応予想だけは残しておく。

まあ、マスコミの過剰な報道については気に食わなかったけど、そのような環境にあっても最後まで期待通りの結果を残し続けた彼の精神力は素直に凄いと思うし、これならプロの厳しい環境でも十分やって行けると思うので、やっぱり個人的には高卒後プロに入って頑張って行ってほしいと思う。

 

以上、終わり